中級者向け PDSガイド(2026年5月時点)
Table of Contents
2026/05/20 山貂さんからの補足追加、また「Graze」を「Grain」に訂正。「Bluesky以外のPDSを使う場合の現時点の注意事項」も追加
注意事項
私自身サーバー全般についてのちゃんとした知識があるわけではないので、詳しいことは間違っている可能性あり
ATProto関連は主に英語で読んでいるので、カタカナ表記がおかしい可能性あり。怪しいときには元の英語も併記する
PDSとはなんぞや?という方のためのそもそもの説明
分かる方は飛ばしてください
PDSとはパーソナル・データ・サーバー(personal data server)の略称で、Blueskyの投稿などをはじめとしたAT Protocol[1]上のアプリやサービスを使う上で作成される個々のユーザー特有のデータが保存されるサーバーを指す。
Bluesky経由でアカウントを作成した場合には、まずDID[2]が割り当てられ、BlueskyのたくさんのPDSのひとつにレポジトリー(repository)が作られる。レポジトリーは、PDS上の各々のユーザーのデータが入るフォルダーと思えばいいと思う。
BlueskyのPDSでも別に大きな問題があるわけではないと思うけれども、いろんな理由で他のサーバーに移りたいと思うことがある。
自分のデータは自分で管理したい場合
自前でPDSを立てる(私もこれが理想だけど、知識がないのでハードルが高い)
Bluesky社の運営方針が気に入らなかったり、サーバーがアメリカにあることを社会情勢的に不安に思う場合
考え方がより合う運営方針のPDSを選ぶ
サーバーが(例えば)ヨーロッパにあるPDSを選ぶ
ごくごく単純に、ドメインを購入せずに特定のハンドルを使いたい場合もあるかも?
自前でPDSを立てるのではなく、Blueskyのように一般公開されているPDSを探したいけれどもどうしたらいいか分からないという方に向けて、中級者同士なりに解説する。
Bluesky以外のPDSを使う場合の現時点の注意事項
いずれも今後変わる可能性があるけれども、私が認識している限りの現時点の注意事項は下記のとおり:
サービスによってはBluesky以外のPDSでログインできない場合がある。今や珍しいのではないかと思う[3]けれども、多分ないことはないので、Bluesky以外で必須サービスがあれば対応しているかどうか確認した方がいいかもしれない。
二段階認証が使えない場合があるらしい。ただ、例えばEuroskyはBlueskyと全く同じ要領でメールでの二段階認証が使えるし、サーバーによるみたい。
アプリパスワードかOAuthが使えない場合がある? どっちが使えないと聞いたのかは忘れてしまった。OAuthは細かいscopeやpermissionが未対応という話だったかもしれない。でもこれも同じく、Euroskyはどちらも問題なく使えているのでサーバーによると思われる。
参考用に、個人PDSのOAuthで新たに細かいscope/permission setsに対応できるようになったという投稿。ちなみにこのサーバーはパスキーでのログインもできるみたい[4]:
Matt Kane (@mk.gg)Cirrus (my single-user PDS than runs in a Cloudflare Worker) now supports granular OAuth scopes and permission sets. ...
恐らくEurosky以外にもBlackskyなどといった「大手」なら最初の点以外は気にする必要はないと思われる(多分。Eurosky以外は未確認)。
私の場合
Bluesky経由でアカウントを登録。登録時のハンドル→ @aiueo.bsky.social
BlueskyのPDSのまま、ハンドルだけカスタムドメインに変更→ @aiueo.ooo
PDSをEuroskyにお引っ越し。ここで、ハンドル名が @aiueo.bsky.social のままだったら .eurosky.social で終わるハンドルを設定し直すことになったはずだと思うけれども、カスタムドメインなので @aiueo.ooo のまま移行
こういった事情で、移行時にハンドルはどういった手順があるのかは分からないので説明を省く。
ちなみに2のときに、旧ハンドルに関してちょっと混乱があって何度か往復した。恥ずかしいことに、ハンドルの変更は全てログが残るので未来永劫優柔不断な人みたいになってしまった。Bluesky公式クライアントなどでは見えないけれども、例えばPDSlsやAT Protocol Explorerといったサイトから誰でもログを確認できる:
ので、なんらかの理由で旧ハンドルを絶対に知られたくない場合にはまるごと新しいアカウントを作ることをおすすめする。
PDS Directory
このガイドでは最初、PDS Directoryというサイトの見方の説明から入ろうとしたけれども、1,000人未満でも知名度の高いPDSもあったり、逆に1,000人以上だけどスパムアカウントの温床になっているところもあったりするので、私の知っている一般公開PDSの紹介に切り替えることにした。
でも簡単に紹介すると、(AT Protocol関連のサービスは今や大量にあるので他にも類似サイトがあるかもしれないけれども、一例として)PDS Directoryというサイトで現存する全て(?)のPDSを一覧することができる。現時点でユーザー1人のPDSも含めて5,174件:
検索欄の下の項目名だけ説明すると、「Open to registration」は登録が一般に開放されているPDS[5]、「Has contact info」は多分PDSのドメイン自体で表示されるページに運営者の連絡先が掲載されているPDS[6]、「Has ToS & Privacy」は利用規約とプライバシーポリシーを設定しているPDS[7]、「Banned somewhere」はどこかでバンされているPDS[8]。
OpenPDS

一般公開されているPDSの一覧。便利ではあるけれども同じくスパムの温床になっているPDSが(アカウント数は多いので)上位に表示されていたりと、全く知識なしでは使うのが難しいかもしれない。また、実質公開されているけれどもスパム対策としての申し込みが必要というPDSが除かれている。
【追加】Bluesky handles directory: Independent PDSes
このブログ記事を投稿したら、AT Protocol関連に大変お詳しい山貂さん(@yamarten.bsky.social)から補足をいただいた。

こちらはKuba Suder氏(@mackuba.eu)による一覧で、一般公開されているPDSには「☀️」マークがついている。前述の2つのサイトとは異なり、スパム対策等で要申込となっているPDSも含まれているので、確かに一番参考になりそう。
ただ個々のサーバーの情報はPDS Directoryの方が詳しく載っていたり、サーバーの所在地はOpenPDSがまとめて載せてくれていたりと、求める情報によって併用が一番良い場合もある。
知名度の高いPDS
(まだそんなにたくさんないのでBlackskyとか以外は「知名度のある」程度が正確かも?)
以下、Blueskyの英語圏(と私の偏見)を元にした情報となる。いずれも日本語対応は皆無もしくは限定的(もしあるとしても、OAuth画面の部分的な機械翻訳等程度)だろうと思うので、それでは困る場合は日本の公開PDSの登場を待った方がいいと思われる。
※アルファベット順。Bluesky公式のPDSは除く。「国」はサーバーの所在地を指す。
名称 | ホストネーム | 国 | 一言メモ |
|---|---|---|---|
blacksky.app, cryptoanarchy.network, myatproto.social等 | 🇨🇦 | 黒人コミュニティー中心 | |
blueat.network(旧:rose.madebydanny.uk) | 🇸🇪(予定:🇨🇦 🇺🇸 🇬🇧) | 個人運営 | |
eurosky.social等 | 🇩🇪 | ヨーロッパ中心 | |
Medsky | medsky.network | 医療従事者用。まだ準備中 | |
northsky.social | 🇨🇦 | 2SLGBTQIA+コミュニティー中心 | |
selfhosted.social | 🇺🇸 | 個人運営 | |
pds.witchcraft.systems | 🇯🇵 | 個人運営。所在地は日本ではあるけれども日本語対応はしていない |
Blacksky
公式アカウント:@blackskyweb.xyz

黒人が安心して利用できるコミュニティーサービスの形成を目指して立ち上げられたPDS。実際にはPDSのみならず他の機能もあるけれどもここでは割愛する(全てのサービスの一覧)。
リーダーのRudolph (Rudy) Fraser氏はATProto界で非常に知名度が高く、BlackskyがATProto全般の発展を率いている部分がかなりある。独自のモデレーションシステムを整えていたり、Blackskyユーザー同士のみに投稿を公開する設定を予定していたりと、いろんな面で他のサードパーティーPDSよりもだいぶ進んでいる。
黒人限定の領域などもあり、黒人ではないユーザーのPDSの利用も許可されているけれども踏み込んでよい領域とダメな領域の確認は必要になる。ガイドラインはこちら。PDSについては、具体的にはmyatproto.socialとcryptoanarchy.networkが全ての人に開かれている。

Blacksky Algorithms also operates two other PDSs that are open to anyone:
myatproto.social - Open to all
cryptoanarchy.network - Open to all
These servers run on the same infrastructure as blacksky.app and are maintained by the same team, but are available for anyone to use regardless of background.
他のPDSからBlackskyに移行するための専用ツールもある:

多分Blueskyの次に最大手だけど、趣旨からして黒人ではない方が利用する場合には是非とも定期的な寄付もお願いしたい。私もBluesky不具合時にはBlackskyのwebappやappview[9]を利用するので、単発の寄付をしている。
最近ではラテン系の方向けのlatinsky.appやafrolatinsky.appが登場した模様。
申込不要。
BlueAT Network
公式アカウント:@blueat.network / 管理者:@danielmorrisey.com

旧ホストネームはrose.madebydanny.ukで、そちらはアメリカの模様(OpenPDS情報)。サイトがなぜか今開けない(先方の問題か私の問題か不明)けど、カナダ・アメリカ・イギリスのサーバーも準備中とのこと。
blueat.ca – 6月3日
blueat.us – 7月中
blueat.uk – 多分2027年
申込不要。
Eurosky
公式アカウント:@eurosky.social

アメリカに頼らないヨーロッパ独自のエコシステムを作ろうという近年の機運と関連したPDS。PDS以外も開発中。
ヨーロッパのサーバーの何がいいのかというと、アメリカなどと比べてプライバシー周りの法律が整っているという安心感がある。今はどっちみちPDS上の全てのデータが公開されている状態だけど、ゆくゆくは非公開データも導入されるようなので、そのときにアメリカよりはヨーロッパの法律のもと運営されているサーバーの方が安心だと思って移動した。
ヨーロッパと関係ないのに登録してもよいものかと私も最初二の足を踏んでいたけれども、ヨーロッパ以外の方も歓迎とはっきりと書いてあるのでお言葉に甘えることにした。
Who is Eurosky for? Do you need to be European?
Eurosky is building software infrastructure for Europe and contributing open source software for developers globally. Eurosky user services (such as the eurosky.social accounts) are open to anyone who wants their data securely hosted in Europe. It is not just for Europeans.
Blacksky同様、Euroskyに移行するための専用ツールがある:
明日の朝にサーバーのアップグレードのために一時的にアクセスできなくなるとの通知があったので、ドイツ以外にもサーバーが増える可能性なきにしもあらず?
私が移行した頃は要申込だったけど、今は申込不要のはず。
Medsky
公式アカウント:@medsky.network / 管理者:@richardferro.com
Bluesky上の医療従事者のネットワークとして既に活発なMedskyのPDSが新たに準備中の模様。
On #Medsky, the .medsky.social handle does not signify your account is on a separate server, like .blacksky.app or .eurosky.social.
Soon, the new handle (.medsky.network) WILL signify that.
.medsky.social - Part of the community
.medsky.network - Part of the community AND on the Medsky PDS
管理者はご自身も医師のRichard Ferro氏。Medskyについては各種フィードがあること以外は正直詳しくは知らないけれども、STEM Moderation & Labelerなどにはお世話になっている。今は例えば専門家に限定されたエボラについてのフィードなどが有用と思われる(多分全部英語だろうけど)。
Northsky
公式アカウント:@transrights.northsky.social
Blacksky同様、2SLGBTQIA+やその他マイノリティーの方が安心して利用できるコミュニティーサービスの形成を目指して立ち上げられたPDS。
こちらもまた当事者でなくても登録は可能だけど、主に想定されているユーザー層の尊重が必須となる。
Northsky Social's mission is to build a safe and sustainable platform for the 2SLGBTQIA+ and other marginalized communities. You don't have to be a member of these communities, but you have to respect us to be on our platform.
Blackskyと同じくそう求められているわけではないけれども、個人的には当事者ではない場合は定期的な寄付もセットでお願いしたい。
要申込:
Selfhosted.social
公式アカウント:@selfhosted.social / 管理者:@pds.dad
Grain[10]経由で新しいアカウントを作るとSelfhosted.socialにリダイレクトされる模様(サブアカウントを作成した)。
管理者のBailey Townsend氏は色々と詳しそうで、下記のPDS MOOverやその他PDS周りのサービスをいくつか開発している。技術面でなんとなく安心。ヨーロッパのサーバーにこだわっていなかったら私もここにしたかもしれない。
Townsend氏のPDS MOOverは専用の移行サービスのないPDSによって案内されている印象がある。また専用ツールを使う際に何か問題があると、トラブルシューティングにPDS MOOverが勧められているのを目撃したこともある。

申込不要。
Witchcraft Systems
公式アカウント:@witchcraft.systems / 管理者:@astrra.spaceほか
知る限り唯一の日本の一般公開PDS。「モスクワ出身、東京在住」のアストラ氏宅のサーバー。サイト等は日本語対応はしていない。
スパム対策として公式アカウントにDMを送ることによる申込が必要:
特に要件はないようだけど、なんとなく、管理者の方々とノリの合う人用なのかなと勝手に思い込んでいる。雰囲気はこちらを見れば分かると思う:
その他
他にも(Bluesky同様)特定のサービスと紐付いているPDSがある。そのサービスのPDSのアカウントで他のサービスを使ってはいけないということは絶対にないだろうとは思うけれども、既存のアカウントを移行する方法が上記のPDSよりも分かりにくい可能性はあるかもしれない(未確認)。
以下、知っている例:
サービス名 | ホストネーム | 国 | 一言メモ |
|---|---|---|---|
margin.cafe | 🇫🇮 | ブックマーク等サービス | |
npmx.social | 🇩🇪 | デベロッパー向け。PDSの利用規約等明示なし? | |
pds.pckt.cafe | 🇺🇸 | ブログサービス。PDSの利用規約等明示なし? | |
pds.sprk.so | 🇺🇸 | 動画投稿サービス | |
surf.social | カスタムフィードサービス | ||
tngl.sh | デベロッパー向け。PDSの利用規約等明示なし? | ||
teal.town | 🇺🇸 | 音楽トラッキングサービス | |
at.app.wafrn.net | Tumblrと似たソーシャルメディア。Fediverseとも繋がるようだけど詳しくは知らない。PDSの利用規約等明示なし? |
PDS移行の仕方
私の場合は上記Euroskyの公式ツールを使ったので、他の方法は説明できないけれども、例えばAirportや前述のPDS MOOverといったサービスを使えば自由にPDS間の移行ができるはず:


Euroskyのツールと同じであれば、基本的には言われるまま設定を変えたり受信したメールから何かコピペしたりするだけで、データ量が多いほど待ち時間が長くなることと移行中はアカウントを使えないこと以外は特別注意点は思いつかない。英語が苦手な場合はそれが大変な可能性はあるのかもしれない。個人的には、待っている間に暇つぶしにBlueskyを開くのを我慢するのが一番大変だった。
とりあえず以上、何かご質問があればお知らせください
更新ログ
細かいもの以外
日付 | 更新内容 |
|---|---|
2026/05/20 10:27 | 山貂さんからの補足を追加。あと「Grain」(grain.social)を「Graze」(graze.social)と誤記していたので訂正 |
2026/05/20 11:54 | ふと思い直して将来的なリンク切れ防止のためにBlueskyのリンクを全てDIDのURLに変更(変更漏れないかな……) |
2026/05/20 12:30 | そういえばこれも触れておいた方がよかったかもしれないと思い「Bluesky以外のPDSを使う場合の現時点の注意事項」を追加 |
ちょっと待って、まずAT Protocolって何??という方は、多分そのうち初級者向けの記事を書くのでそちらを参照。 ↩
例えば「did:plc:i7vd7szhlklkky6zsw6kqshn」といった、「did:」で始まる文字列。「did:web」で始まる場合もある。このIDは固定されていて、ハンドルを変更しても代わらない。 ↩
個人的に使っている・使っていたサービスではひとつしか該当しない。結構前に開発が止まっていて、最近サービス自体一旦閉鎖された。 ↩
なお投稿者はCloudflareに務めているデベロッパーの方という超上級者なのでサーバーに詳しくない方が見よう見まねでPDSを立ててみた場合に簡単に真似できるとは思わない方がいい。 ↩
ただし、一旦別サイト経由で申し込んで招待されたら普通に登録できるPDSなども除外されるので、参考になるかどうか不明。 ↩
これも、別のドメインで公開されていたり、Bluesky経由で連絡できたりするので個人的には重視していない。 ↩
これは一般公開に向けてちゃんと姿勢を整えているという点である程度参考になるのではないかと思う。ちなみに「ToS」は「terms of service」=利用規約の略称、この場合の「Privacy」は「privacy policy」=プライバシーポリシーを指す。 ↩
赤い点の上にカーソルを載せると、具体的にどこでバンされているか表示される。現時点では基本的にはBluesky公式からのバン。 ↩
did:web:api.blacksky.community ↩
Graze.socialと誤記していました。失礼しました!Grain.socialは写真投稿サービス、Graze.socialはカスタムフィード作成サービスで、どちらもお世話になっています。 ↩
Trying to stay anonymous. Likes aren’t necessarily endorsements; I also use them as Bookmark lite so I can search later or to avoid losing my place when refreshing. Ignore my follower count, mostly blocked 匿名希望の主に情報収集用のアカウント https://blento.app/aiueo.ooo
No comments yet