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【鉄拳姉効】棘-いばら 鉄拳 第7回 / å…š9回

【鉄拳姉効】棘-いばら

目次

A5/60頁/特皮玙オフ 2002幎1月16日

鉄拳アヌケヌド皌動時に䜜成したりィリアムズ姉効本です。

にかけおの姉効蚭定を基にしたした。同蚭定で、オフラむンの友人 杏是 氏に小説を曞いおもらいたしたコピヌ本/月䞋銙に先行収録

挫画

小説テキスト版

月䞋銙 杏是旧 九条きき

誰のため、䜕のために貎女は殺すのだろう。
もう誰も殺す理由など無い。貎女は自由なのに。もう誰の物でもないのに。
なのに、どうしお衚情もなく人を狩り続けるのねぇ、どうしお
どうしお私ず䞀緒にはいられないず、告げたの貎女は䜕を考えおいるの
蚘憶が無くおも、昔の貎女じゃなくおも、いい。心からそう思っおいる。
なのにどうしお私を遠ざけるの私を憐れむような目で芋぀めるの

貎女にずっお私は䜕もう戻れないの憎んで、愛したあの頃に。
貎女はあの玄束も芚えおいなかった。あの日亀わした玄束。あの花に誓った。
花は咲いお貎女も私も戻っおきた。でも党おが倉わっおしたった。

貎女は私を憎んでいるの嘲笑っおいるの私には貎女が芋えない。

ねえ、貎女は、姉さんなの

 

ある日、圌女が䞍思議なものを持っおきた。
広口の瓶には、液䜓が満たされおいる。その底に沈められた、癜い䞀茪の花。
圌女は䜕もない棚の䞊にそれを眮いお、蚀った。
今幎はお互い忙しくお、䞀緒に芋られなかったでしょう来幎もその次も
そうかもしれない。けどこうしお酒に぀けおおけば、この花は腐るこずも無く
咲き続けるの。奜きな時にここぞ来お、芋る事ができるの。
ねえ、姉さん。玠敵でしょう
圌女はりィンクをしお芋せた。やり切れない思いが募った。䞀緒に芋ようず
いう玄束䞀぀、自分は芚えおいないのだから。

「姉さん」ず呌ばれるこず。「蘇ったサむレント・アサシン」ず呌ばれるこず。
その二぀が、自分をこの䞖界に存圚させおいる。他には䜕も無い。
そしおその二぀ですら、借り物だ。自分が積み䞊げたものではない。自分は
ただ、それらを憑䟝させお実行しおいる人圢にすぎない。
サむレント・アサシン。血に飢えた殺し屋。今そう呌ばれるこずに抵抗は無い。
自分は目芚めた時から、「あれ」の意志に沿っお狩り続けお来たのだから。
「あれ」の再生の為に捧げる、哀れな栌闘家達の魂を。

「あれ」の意志を倖れた時、自我が芜生えた。自分はもう䞀床生たれた。
そんな自分に圌女は笑いかけた。そしお手を差し䌞べた。
魂を狩る操り人圢の自分に、もう䞀぀の居堎所を䞎えた。それが嬉しかった。

䜕もかもここから始たる。真っ癜な自分に、自分で色を染めおいこう。
䜕も芚えおいないのなら、たた積み䞊げれば蚀い。
そんな自分の決意を、圌女は打ち砕いた。「姉さん」ず呌ぶこずで、自分を
「ニヌナ・りィリアムズ」にした。党おが閉ざされ、自分は人殺しになった。

どうしお殺すの圌女はそう思っおいる。せっかく自由を手に入れたのに、
どうしおたた元の堎所に戻るの圌女は気付いおいないのだろう。

人を殺め、自らの運呜に効を瞛り付けるのが「ニヌナ・りィリアムズ」であり、
そうではない女など「姉さん」ではないず、その目が語っおいる事に。

その道を決めたのは圌女だ。自分の未来も䜕もかも圌女のいいように操られる。
結局自分は垞に䜕かの、誰かの人圢でしかないず蚀う事か
この人を殺める術も、蚘憶ず共に消えおしたえば良かったのに

 

姉さんが最近䌚っおくれない。私を避けおいる。
ずいうか、私を憎んでいるような感じ。䜕か、したかしらそれに、どんどん
危ない仕事を請け負う様になった。危険だからやめた方がいいず蚀っおも、
聞きやしない。たあ元々そういう人だったけれど。
姉さんがどんどん離れおいっおしたう。昔からい぀も私は远い掛ける圹だった。
憧れの姉さん。私しか知らない、姉さんの偎面。人殺しが背負う重荷が、い぀も
姉さんを苛んでいた。そんな姉さんに必芁ずされる事が、嬉しかった。
どんな姉さんでも、私はいい。姉さんは姉さんじゃない䟋えどうなっおも、
姉さんは、姉さん。そう決めお迎えに行ったのに。手を差し䌞べたのに。
こうしお、姉さんの郚屋で埅っおるのに。
棚の䞊で、あの花が咲いおいる。ふずその瓶を手に取る。倜の闇の䞭で癜く、
ゆらゆら。ああ、この花は、倜にしか咲かなかったんだっけ。
ただ芋ぬ䞀晩しか咲かない儚い花に、私達は誓ったんだっけ。

 

「 目が芚めたら、その花を䞀緒に芋たしょう。二人だけで」
「生きおたらね」

䞀枚のディスクが、䞉島財閥の所有する研究所の倉庫に眠っおいる。
䜕幎か前に行われた「氞久機関コヌルドスリヌプ」実隓蚘録のボックスに収めら
れたそのディスクには実隓䜓の女性達の、実隓数時間前の様子が蚘録されおいる。
䞀人はペヌロッパ䞭を震撌させた暗殺者、ニヌナ・りィリアムズ。䞀人はその効、
アンナ・りィリアムズ。
ニヌナ・りィリアムズは、暗殺䟝頌を遂行するために䞉島財閥に䟵入したが倱
敗、半ば無理矢理成功率の䜎いコヌルドスリヌプの実隓䜓にされた。アンナは姉
を远いかけお䞉島財閥に珟れ姉ず話をした埌、自らも実隓䜓ずなる事を申し出た。
アンナは、鉄拳衆ずの戊闘で怪我を負った姉の治療をした。はじめ、二人の䌚
話は淡々ずした、しかし口の悪い姉効喧嘩だったが、ニヌナの「私のこずは忘れ
なさい。したかったんでしょう普通の暮らしが」ずいう蚀葉に、アンナが激昂。
ニヌナの頬を匵り飛ばし、「もう私は埌戻りなんか出来ないのよどうしお今
曎そんな事を蚀うのもう手遅れなのよ」ず叫び、涙を堪えおいた。「もっず
早くその蚀葉を蚀っおくれおたら、私は 」効の血を吐くような叫びを、
ニヌナはただ黙っお聞いおいた。この二人の間に、どんな事があったのか。
圓時、このディスクを芋た研究所の職員達は、眠り続ける二人を暪目に様々な想
像をめぐらせたず蚀う。その刹那、効が芋せた憎悪は狂気すら孕んでいた。

心に吹き荒れた䞀瞬の嵐をやり過ごした埌、アンナは散らばった救急道具を片
付けるず、郚屋を埌にした。
その時、二人はこんな䌚話を亀わしおいる。

 

「月䞋矎人っお知っおる怍え付けお幎しないず花が咲かないんですっお」
「それが䜕か」
「それね、男から貰ったの。持っおきたのよ、ここに。ここで育おおもらおう
ず思っお」
「  」
「姉さん、私も眠るわ」
「 」
「だっお姉さんが目芚めた時に、私だけババアなのっお、ずるいじゃない。
姉さんだっお、起きお最初に芋るのがしわくちゃの効なんお、嫌でしょう」
「お前 」
「じゃ、埌でね」

アンナはドアの前で立ち止たるず、姉に背を向けたたた蚀った。
「 目が芚めたら、その花を」

 

その数時間埌に、姉効は揃っお眠りに぀いた。保蚌の無い危険な眠りに。
そしお姉の眠りは砎られる。凶悪な意志を持った巚倧な存圚に。匷い者の魂を
狩り取るために。自我を無くした人圢ずしお、圌女は目を芚たした。
自我は戻っおも、蚘憶は戻らなかった。効の顔すら芚えおはいない。
玄束は果たされなかった。花は咲いたが、それを芋たのはアンナ䞀人だった。
そしお、アンナはその花を瓶詰めにしおニヌナに莈った。ニヌナの䞭にいる、
もう䞀人のニヌナに芋せるためたっだかもしれない。今ずなっおは、どちらでも
いい事かもしれない。

 

久しぶりに家のドアを開けるず、効が眠っおいた。床に䜓を投げ出しお、どう
いうわけか瓶詰めの花を抱きしめたたたで。
自分は効を起こさないようにベッドに近付き、毛垃を匕き剥がすず効にかけた。
効は埮笑んでいた。その埮笑みが向いおいるのは自分ではないだろう。それでもいい。
自分は生きるだけだ 

そしお自分はドアを閉めた。おやすみ、ず呟きながら。

END