(2)激戦州・部族主義・大統領令
Table of Contents
激戦州(Battleground State(s)/Swing State(s))
人口変動(特に人種民族比率)が起きていて選挙結果が拮抗している州。最終的にどちらかの党が優勢になると考えられるが、選挙時点ではどちらにも結果が変わり得るゆえに激戦州(Battleground State(s)/Swing State(s))と呼ばれる。
なお世論調査機関であるピュー・リサーチセンターはBattleground State(s)とSwing State(s)の使用比率は3:1でBattlegroundを使う傾向が強い。どちらかに振れる選挙区というより両党が激しく競っている視点が強め。
報道機関のニューヨーク・タイムズではこれが1:1とほぼ拮抗している。調査報道的な記事ではBattlegroundが、選挙速報的な報道では中立的なSwingが好んで使われている可能性がある。
訂正:当初 Batllefield stateとしていましたが、ほとんどはBattlegroundとなっていて極めてレアだったため訂正しました。(2026/8/12)
非激戦州
一般に人口が多い、大卒専門職が多い都市を含む郡、大学キャンパスがある郡は民主党支持になる。そして人口が少ない地方の郡は共和党支持傾向がある。共和党州ですらこの傾向は変わりない。
人種民族により支持政党に一定の傾向があり、人口構成と過去の投票結果を見ればだいたいは結果がわかる。そういう結果が読める州が非激戦州である。
ワイオミング州では州都を含めほぼ共和党支持郡しかないが、例外はあるものでティトン郡は民主党候補が勝つ郡となっている。この郡にはスキーリゾートで知られるジャクソンホールがあり、東西両岸の都市部富裕層が別荘や隠遁地に選んでいる。なお税収が豊かかというと州議会が共和党多数派で固定資産税減税をやったがために極度の税収不足による公共サービス停止手前の財政危機状態にあるがティトン郡狙い撃ちなのか単に共和党的小さな政府減税は正義の発露なのかよくわからない。
部族主義
人種民族でかたまりを形成しており政治的傾向もある程度決まっていて、その事を部族主義と呼ぶ政治学者もいる。なお黒人はリンカーンの共和党を支持する傾向があったがフランクリン・ルーズベルトのニューディール政策から60年代にかけて黒人の北部移住と共和党の南部政策による民主党との地盤入れ替わりがあってその中で民主党支持に転じている。
黒人暴行死事件と白人ナショナリズム:「部族」化する米国社会 https://www.nippon.com/ja/in-depth/a07001/
大統領令・大統領覚書
Executive order/Memorandamは大統領が法解釈を示して閣僚および省庁に対して指示を出すものだが、大統領は立法権限を有していないのでその指示は必ず根拠法が求められる。
大統領令9066号は太平洋戦争開戦直後に出され日系アメリカ人を指定地域から拘束、強制収容することを命じたものとして知られているが、この大統領令にしても法令を示し解釈した後に閣僚と省庁に命じる形式で書かれている。なお人種民族を特定しない言い回しを落として違憲論を封じており今日のトランプに通じる悪辣さがあった。
なお大統領令と大統領覚書は実質的に違いはない。ただ大統領令は法令適合チェックがなされて公開と号番号付与が行われるのに対し覚書は公開されるとは限らず法令適合チェックなしで出せるため内容に応じて使い分けられる(例えば調査指示などは覚書で可能とされる)
朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)
米国政治キーワード
- 1 (1)有権者たち
- 2 (2)激戦州・部族主義・大統領令 This article
- 3 (3)統合軍・連邦議会・大統領府
- 4 (4)大統領の人事権・国防省
- 5 (5)参考図書
- 6 (6)激変中の人種民族構成比
- 7 (7)選挙人制度と連邦議員定数
- 8 (8)合衆国憲法修正条項
- 9 (9)合衆国憲法第1条第2節第3項 「5分の3」条項
- 10 (10)合衆国憲法修正第1条(いわゆる表現の自由)
- 11 (11) 憲法修正第25条 大統領・副大統領の継承
- 12 (12)予備選挙制度
- 13 (13)徴兵と州兵制度
- 14 (14)白人福音派
- 15 (15)連邦司法省と法執行機関、検事制度について
- 16 (16)党派・人種民族別支持者比と上院人種民族構成
- 17 (17)フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領
- 18 (18)ハリー・S・トルーマン大統領
- 19 (19)合衆国連邦裁判所と移民裁判所
- 20 (20)連邦最高裁会期制と健康保険制度メモ
- 21 (21)“Mahanoy Area School District v. B.L.” 判決
No comments yet