米国政治キーワード(1)
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中道無党派層
存在しない架空の生き物。アメリカは二極化が激しく進んでおり共和党か民主党どちらかに属することを求める圧力が激しい。だから無党派がいるとしても表立って語ることがない。迂闊に言えばどちらからも猛烈な圧力がかかる。
また米の世論調査で支持政党を聞く際、leanという表現がある。「どちらかといえば」という意味がある。この層はどちらでもない真の無党派を含めて44%ほどあるが(Pew research centerレポートによる)、実態としては34%は「どちらかといえば〜党」で真の無党派は10%に過ぎない。90%もの人々は民主党か共和党を選択している。だからこそ非激戦州は答えが予想しやすい選挙になっているとも言える。
Party Affiliation Fact Sheet (NPORS) | Pew Research Center https://www.pewresearch.org/politics/fact-sheet/party-affiliation-fact-sheet-npors/
民主党穏健派と労組労働者層
単純に言ってしまえば白人の多数派(マジョリティー)を指していると考えれば間違いはない。実際にはこれに加えて富裕層など彼らと手を組める人達が集まっている。
アメリカの人種民族人口構成比は1940年国勢調査で8割が白人でこれがこの40年ほどで劇的な変化が起き始めた。ラテンアメリカ系の急増で黒人を抜いて今や第2位20%に達していると考えられている。そして(ノンヒスパニック)白人の比率は58%まで低下しており、2040年代には50%を割り込むと予想されている(若年層では既にこの水準にある)。
民主党も共和党も1930年代から劇的な変化が起きてきた。FDRのニューディール政策は労組労働者層を生みだしたが民主党はもともと南部地盤だった。これが黒人の北部への移住や共和党の南部進出という形で地盤交換があって、60年代頃には今のリベラル=民主党、保守=共和党という構図になったが、それでも白人の中での微妙な立場や方針の違いからの差に過ぎず政治思想的な対立が強くもなく、その一方で両党対立は激しくはなく妥協は成立しやすかった。それが変わっていったのはレーガン以降、グローバリゼーションで製造業の工場が国外移転して製造業で働く労組労働者階級(=高卒労働者)が民主党を離反してトランプへ、共和党というよりMAGAへと越境して支持先を変えることになった。
アイデンティティ政治
女性や性的少数者、非白人など社会的に不利な立場に置かれている人たちによる公平公正さの追求を揶揄して分類する言葉。少なくとも民主党穏健派の側から言われる際はこういう要素があるのは忘れてはならない。
少しずつ改善されてきた事がトランプ2期になってから大変な退歩を起こしている中で、民主党内でこの言葉を挙げて批判があるのは、白人労組労働者層の支持が民主党から失われたといった穏健派の認識があるから。ただその穏健派がどのような人が多いか考えれば結局、人種民族による部族政治性の影響から何も脱していないとも言える。
朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)
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