能楽鑑賞日記

2026年6月以降の鑑賞日記

弥珠
熱海座 夏休み能楽教室

熱海座 夏休み能楽教室

目次

熱海座 夏休み能楽教室
第二部 能楽講座・鑑賞

MOA美術館 能楽堂
2026年7月28日(火) 13:00開演

能楽講座
講師:大倉源次郎

演目解説
狂言「口真似」について(講師:野村萬斎)
能 「小鍛冶」について(講師:辰巳満次郎)

狂言 「口真似」
太郎冠者:野村萬斎
   主:松川美韻希
  何某:福田成生
  後見:野村太一郎

能 「小鍛冶」白頭
童子/稲荷明神:辰巳満次郎
三條小鍛冶宗近:野口能弘
    橘道成:野口琢弘
   末社の神:野村太一郎

  笛:平野史夏
 小鼓:大倉伶士郎
 大鼓:柿原孝則
 太鼓:林雄一郎

*・*・*

毎年恒例のMOA美術館の能楽教室へ(てか連日で熱海へ行くことに・笑 ※前回の記事参照)

能楽講座

今年の講師は大倉源次郎先生。関西人ならではのユーモアを交えながら、日本語ならではの言霊・言葉遊びについてや、小鼓について詳しく教えてくれました。助手として息子の伶士郎くんも登場し、小鼓教室も行いました。

あと作りたての小鼓の皮と100年経った皮で、どう音が違うのか聴かせてくれたけど、作りたては固くて詰まった音なのに対して、100年経った皮はポーンと突き抜けるようなとても綺麗で気持ちの良い音で、その違いは素人でも分かるほど。和楽器って完成するまで、そんなに年月を必要とするのかと、改めて凄い世界だと思いました。

ということで、良いものだけを使うのでなく、未来の世代に向けて、新しい皮を作り育てることも、現代を生きる能楽師の仕事なのだとか。

ホントに結果を直ぐに求めるのではなく、長い長い目で見なければいけない世界なのだとしみじみしました。

あと余談ですが、この後、解説で登場する萬斎さんと満次郎先生のことを「まんまんコンビ」と呼んでいました🤣👍

あと「足痺れちゃった」と言って体勢を整えてた姿も可愛かったです🤭

(プロの能楽師だって人間だもの)

演目解説

萬斎さんの解説では、最初に正面席の奥まで見渡すと「お子さんの姿を探す方が難しいかも」とひと言。確かに今年は大人の方が多かったかも😅

「ま、お年を召した方の方が時間に余裕が出来て楽しめるというのもあるかもしれません。でも一応、子供向けということなので、優しい口調になっちゃうかも」と子供向けを貫き通します。

「これ毎回やってるんですけど」と前置きした上で、今年もおままごとの包丁(右手)を出して「はい、これは何?🤚」と問うと、、、

🧒「包丁!」

萬「ホントに?包丁で良い?」

🧒🏻「(めっちゃ元気な声で)チョップ!」

萬「おっ!良い線、言ってるねぇ😏」

と、子供の柔軟な発想に、私も見所も笑ってしまった😂

本人もこういう反応を待ってましたという感じで、ちょっと嬉しそうでした😂

あと、この辺りの者を説明する時は「ここはMOA美術館なので熱海辺りの者ということですね。昨日は…どこに居たかもう忘れてしまいましたけど…」

いつも過ぎたこと忘れるの早すぎなのよ🤣

*・*・*

満次郎先生の小鍛冶の解説では、この演目を演ると刀剣女子が来てくれるんですが、、、と仰っており、確かにそれらしき“ぬい”をお持ちのお姉様方を何人か見かけたので、刀剣乱舞の力は能楽界にも影響与えてるんだなァと実感しました。

というワタクシも最近、刀剣乱舞を始めましたので、しかも小狐丸さんはスタメンに入っており、極めてもおりますので、その上で拝見する小鍛冶を楽しみにしておりました(チケット買った時はプレイしてなかったから完全に偶然なんだけどね😅)

その小鍛冶に関しては何年か前の能楽教室でも演ってますので、今回の解説はその時の簡易版って感じでした。

「あと30分くらい話したいんですが、早く戻ってこいと(予め)言われてたので、これで終わります」

話足りないようなので、いつか、まんまんコンビでトークショーでもやって欲しい(笑)

狂言 「口真似」

【あらすじ】見事な酒を手に入れた主人は、太郎冠者に客を連れてくるよう命じるが、連れてこられたのは近所で評判の酒乱の男。困った主人は、太郎冠者が粗相をしないよう「これからは私の真似をしろ」と命じるのだか、、、

美韻希くんの主は、若手らしく型や教えに忠実に演じており好印象。序盤に一瞬科白が詰まったが、相手役が萬斎先生なのだから、まぁ緊張もするであろう。これから型が定まって、その中に彼らしさが徐々に出てくるだろうと思うと今後が楽しみ。

福田さんは私的にも注目の“若手”(笑)であり、特に最近はとても良い芝居をなさるので期待しながら拝見。今回もなかなかいい味を出しておった。福田さんの人柄や持ち味と、狂言という表現方法の相性が良いのだろうと感じた。

そんな福田さんと太郎冠者の冒頭のやり取りを見てると、ただの顔見知りというよりは気の合う友人のようにみえた。てか福田さんの人が良さそうな雰囲気から、とても酒乱持ちとは思えない。これは、人は見かけによらずということか(笑)

そんな彼が後半では暴走した太郎冠者によって理不尽な目に遭わされる訳だが、この暴走っぷりが、天然なのかわざとなのか絶妙な演じ方で判断付かず、主に倒された冠者がむくりと起き上がった瞬間はちょっとホラーにも感じた😂(しつこく追ってくるターミネーターを思い出したw

最後にひとり残された福田さんは、どこか疲れたような、やるせない表情で退場していったのが、印象的だった。福田さんはこの太郎冠者とは二度と関わりたくないだろうけど、太郎冠者の方はケロッとしてそうだなー😂

尚、太一郎さんは後見として、弟子の美韻希くんを真剣に見守っていたが、スナイパーアイにはなっていなかった。そこは師匠に似なかった、か(笑)

脇正面最前列からの眺め

能 「小鍛冶」白頭

【あらすじ】一条天皇の命で剣を打つことになった刀匠・三条宗近が、稲荷明神の化身を相槌に迎え、名剣「小狐丸」を鍛え上げる。

刀剣乱舞ONLINEでは、刀剣男士を一定のレベルまで上げると、更に強化させるための修行に出すことができ、一時離脱してしまうが、3日目までは修行の様子を手紙で知らせてくれる。そして4日目に帰還し、極めの姿となるのだが、その手紙の内容が、この小鍛冶の伝承そのものだったので、読んでニヤリとした。

ということで、過去にも何度か鑑賞してる小鍛冶だけど、今回が一番解像度高く拝見出来た気がする。

しかも白頭だったので、ただ単に神々しいだけでなく、何処となくモフモフの小狐丸さんとリンクしてて良かった(てか赤頭だと、赤いきつね…になるのか?)

満次郎先生の小鍛冶は拝見するの2度目だけど、やはり前シテの童子がデカい😂

でも稲荷明神の姿は装束の派手さもあってか、そうは感じない。むしろ似合ってるというか。

ちなみに最初に出てくるワキツレの野口琢弘師は美声で、声そのものにビブラートが効いてる不思議な声の持ち主なので、脇正面最前列という間近で聴いたら🫨←こうなった(笑)

同じく美声の野口能弘師の宗近は、イメージ通りで似合ってると思った。いい配役。

あと小鼓に伶士郎くんが出ていたけれど、入場したところから姿勢が美しくて、そして奏でる音も綺麗に出ていて素晴らしかった。

前日の三郎太さんの舞台を拝見した時と同様で、こちらも将来が楽しみな若手のひとりに加わった。

てか、同じく若手の野村裕基くんも大槻裕一くんも、立派な師父の元で素直に真っ直ぐ育ったなぁと感じる。

みんな、その素直さが、芸の美しさに現れてると思った。