わたしの大冷笑時代

鉈実

「経験したことしか書けない」と言っていた学生時代の友人たちを、心の中でめちゃくちゃ冷笑していた。

 そんな大冷笑時代がわたしにもあった。

 そう言っていた友人たちは文芸部に所属していた。わたしも演劇の脚本を書いたり、その文芸部に寄稿したりとものを書くことはよくしていた。

 わたしは経験できないことを書くからこそ自由で、想像力や表現力が試され、書きあげた時の達成感もひとしおだと思う人間だから、そんなことを言うやつがいたら冷める。そして納得する。ああ、だから君らの作品は面白くないんだね、と。

 そもそも経験したことしか書けないのなら、その人が作る創作は範囲がかなり狭いのではないかとは今でも思う。

 ただその大冷笑時代で良かったこともひとつある。それは、当時きちんと作品の批評会が行われていたことだ。小説はライングループで、脚本はみんなで寄りあって。これが恐ろしくも楽しかった。

 完全に自信を持って作品を出せる時もあれば、精神状態がおかしいままで書きあげて不安な時もあった。

精神状態がおかしい時に書きあげた脚本への実際の改善点。

 人を冷笑するのであれば、自身を客観的に見ることも大切だと思えた学生時代であった。

 今自分を客観視できているかどうかは不明です。

 あの頃活動していたみんなは、今も何かを創っているだろうか。創っているといいな。


 ちなみに脚本はインターネット上でひっそり公開している。自分でも驚くのだが、たまに上演依頼が来る。

 新作をいつか書きたいと思ってもう五年くらい経っている。まあ、またいつかね……。

鉈実
鉈実 @nuplatoon.bsky.social

思考の整理と日記。

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