文化は心のビタミン / 美輪明宏さんのことば
歌手で俳優の美輪明宏さんの訃報をSNSで知った。
そのあと、美輪さんの公式サイトで改めて訃報のお知らせを読んだ。
美輪さんのことばがとても身に沁みたのは、コロナ禍のときだった。
ありとあらゆるものが閉鎖され、ちぎられ、離ればなれになっていった。
その中で、なぜかひどく堪えたのが「美術館の臨時休館」だった。自分でも驚くほど「美術館に行けない」ということが自分をひどく不安にさせ、渇望させ、寂しくて仕方なくさせた。
今考えても、どうしてそんなに自分が揺らぐほどのことになったのかわからない。
そのとき、美輪さんの
「文化は心のビタミンです」
ということばを思い出した。
なにかのチラシに書いてあったのか、公式サイトのトップにあったのか、記憶が曖昧だけれど、戦争が文化を奪っていった歴史を見てきた美輪さんが力強く放ったことばだったと思う。
コロナ禍で、自分ができることはたくさんはないけれど、不安になりすぎず、自分を生きていこう。生活していこう。暮らしていこう。心を枯らさないようにしていこう。
と頭では思うのに、内面はそうでもなく不安で怯えてぐらぐらしていたときに、思い出した。
「今、ビタミンがとれなくなっちゃったんだ!」と、美術館に行けなくなったことを考えたのかもしれない。でも、美術館に行くだけが文化ではない、と思い直そうともした。
美術館が再び開館したとき、私は泣きそうになりながら美術館に行った。まだ滞在時間をたっぷりと取るのはどうか、という感じだったが「短くてもいい。よかったぁ」と思った。
去年の春、不本意ながら仕事を辞めた。自分が不安定になり、また自分が枯れそうになった。対策としていくつかやったことのひとつに「美術館に行くために予算」を封筒に入れたこと、があった。
「心が枯れないために。心のビタミンを摂取するために」と美輪さんのことばを思い出しながら、私はお金を確保した。
今も不安定な状態だけど、今年度も美術館にいくための予算は確保している。
ご病気で倒れられてからの美輪さんのお姿は、私に覚悟をさせた。
なので、虹の橋を渡ったお知らせを知ったときも「そうか…」と思った。
美輪さんの舞台や音楽会に行ったこと、テレビやラジオの番組を楽しんだこと、著書を読んだこと。たくさん思い出していた。
■本日の写真
ミュシャの作品。
ほんとは、初めて美輪さんの出演される舞台(音楽会)を見に博多に行こうとしたとき、地図帳を見ていたら「板付遺跡、近いじゃん!」と思い、音楽会の前に遺跡に行ったので、なにかしらの遺跡や出土品の写真にしようと思ったけど、いい写真がなかった。
写真を見返していたらバラの花もなかったけど、以前ほどお花の写真を撮っていなくてびっくりした。
キリエの日々
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