ほうれん草にカマキリのたまごがついてきた

ほうれん草にカマキリのたまごがついてきた

思わず「ぎゃっ」と言っていました。

ほうれん草のごま和えを作ろうと、湯がく準備をしていたときです。ちらりと見えた葉先が茶色になっていて、私が買ってきてから数日冷蔵庫に入れっぱなしだったから、ほうれん草が少ししなびてしまったのだと思ったのです。ならばそこを取らなくちゃ、と申し訳なく思いながら手を伸ばすとそれは葉っぱではありませんでした。

カマキリのたまごは見慣れているものでした。最近ではあまり見なくなりましたが、春に杉の葉についているのを見ました。だから、べっとりと葉っぱについたものがかまきりのたまごだとすぐにわかりました。

どうしよう。

私のこどものときの昆虫図鑑から得た知識では、かまきりはたまごで越冬するはずです。このままではいけません。紙製のお菓子の箱に入れて春までそっと薄暗いところに保管しておけばいいのか。しかし知らない間に孵化してしまったらいけないし。

かまきりの孵化を知っていますか。かれらは不完全変態なのでスポンジのようなたまごからちっこいちっこいすでにかまを持っているカマキリが無数に出てくるのです。小さな箱の中でうじゃうじゃちっこいカマキリだらけになってもいけません。

ネットで調べると、屋外で越冬させたほうがよさそうです。室内だと暖かくて春と勘違いして冬の間に孵化してしまうからです。そこにはたまごのついた枝を屋外の木の枝に固定しましょう、とありました。

でも、ほうれん草の葉っぱです。すぐにしなびてしまいます。私は一晩考えました。

考え事をしてひらめくのは私の場合、大概お風呂か自転車を漕いでいるときかなのですが、今回はお風呂でした。

いろいろ考えた中には、たまごを屋外の木にボンドでダイレクト接着などの荒技もありました。手持ちのボンドが木工用でこんなに凹凸のあるもの同士の接着力には自信が持てず却下しましたけど。

結局、パン袋に使われているワイヤータイを使い、籠状のものを作り、その中にたまごを入れ、木の枝に固定しました。

取っておいたワイヤータイには長いものがあって助かりましたが、ほとんどが短いものでした。「ほんとはこうしたいんだけどなぁ。長さが足りないんだよなぁ」と思いながらなんとなくねじねじして組み立てていきます。ねじねじは念入りにしました。ほどけて中からたまごが地面に落下しては大変です。まだアリも活動しているから巣穴に運ばれるかもしれません。雨やたまに降る雪に、地面ではいくら頑丈なたまごでも耐えられないかもしれません。

枝に固定したときも、同じ思いでした。あまり外から見えないところで風雨がしのげる木の葉の下にしたので、作業はやりづらかったです。でもねじねじは念入りです。籠ごと落下してはいけませんからね。

ほうれん草からたまごをはがす作業も慎重におこないました。一部はぱりぱりとはげたのですが、ほとんどはべったりと葉っぱに張り付いていてはがれません。無理をしてたまごを損傷を与えてはいけません。すぐに諦めて余分なほうれん草を切り取ることにしました。

私のできることはしました。願うのは無事に越冬し、来年の春、時が満ちたときにカマキリが孵化しちっこいちっこいカマキリが誕生することです。

ほうれん草についたカマキリのたまご。よくぞこの状態で我が家にいらっしゃいました。
不格好な籠状のもの(左)としなびたほうれん草の葉についているたまご
たまごを籠の中に入れまたねじねじ
ツバキの木の枝に固定。たまごの上下も確認しました。無事に越冬してください。

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