テクノンロジカル・ナショナリズム
オッペンハイマーをはめたフィクサーとして知られるルイス・ストローズはその事件暗躍で商務長官の上院が任命を否決するという珍事をもって政治生命が終わった(が、オッペンハイマー夫妻にはまとわりついて博士が死ぬまで攻撃は続いていた)。
そんな彼が政治から追放されて書いたのが『Men and Decisions』(抜粋訳はあって国会図書館デジコレで閲覧可能)。ストローズは原子力委員長時代でも「原子力技術者が足りずソ連との競争に負ける」とかアメリカの原子力による世界覇権と自身の政治覇権を広げるべく口舌の徒として色々発言は残していて日本の文献でもよく彼の発言が引用されている。
ストローズの本は今『テクノロジカル・リパブリック』としてアップデートされた。
『Men and decision』はストローズが原子力委員・委員長としてこんなに重大事に関わったんだと言った内容をまとめたもので政治生命を絶たれた後、それでも誇りたかったのか出したもの。歴史はそんな彼を忘れ去っており、マンハッタン計画に関わった人の本はKindle版があって読めるけども、ストローズのこの本は古書を手に入れるか日本では国会図書館デジタルコレクションで抜粋邦訳版で読むしかない。
もし彼が現代でAIに関わっていたら『テクノロジカル・リパブリック』を書いただろうなという対応はある。彼のときは「核」、とくに「水爆」でソ連に勝つという論法になった。『テクノロジカル・リパブリック』はテクノロジー(AI)による国益・公益への貢献が謳われている。問題はこの国益・公益とされる部分が必ずしも一般的な意味を持つ言葉ではなく特定の人種民族の優越のために用いられるべきという本音が隠されている点にある。
参考資料)ルイス・L.ストローズ 著 ほか『真珠湾から核実験まで : 現代史をつくった人々と「決定」』,時事通信社,1963. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2991880 (参照 2026-06-23)
※全19章のうち日本人が興味を持つであろう4章しか訳されていない抜粋訳。
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