オンラインコミュニティの形成と進化——Twitter、note、マストドン、そしてアットプロト
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オンラインプラットフォームの成長には、一定のパターンがある。最初は急激なユーザー流入と爆発的な投稿増加が起こり、インタラクションも活発に飛び交う。しかし、その熱狂は長く続かず、次第に沈静化し、しばらくは閑散とした退屈な時期が訪れる。
この流れは、ほぼすべてのオンラインコミュニティで繰り返されるものだ。ただ、Twitterはこの停滞期を乗り越え、単なる「プラットフォーム」から本格的なソーシャル「メディア」へと進化することに成功した。
Twitterの転機——東日本大震災がもたらした変化
英語圏・日本語圏の違いを超え、日本国内だけでも広く普及し、誰もが使う短文投稿サイトとなった。その転機となったのが東日本大震災だ。
震災前、NHKとニコニコ動画は「放送とネットの融合」といった構想を掲げていたが、その実現性は不透明だった。そこに地震が発生し、Twitterが情報伝達のインフラとして一気に前面に躍り出た。ネットは単なるサブカルチャーの場ではなく、メディアそのものへと進化したのである。
noteの進化——停滞期を経てプラットフォーム化
note.com(旧 note.mu)も、典型的なスタートアップの成長曲線をたどった。サービス開始直後は盛り上がるものの、一時的な停滞期を迎える。しかし、開始から4〜5年後、深津貴之氏が前面に出るようになり、課金システムを強化。「文章を書くならnote」という文化が形成され、クリエイター向けプラットフォームとしての地位を確立した。
マストドンの衝撃——DIYでTwitterを作れる時代
その後、注目を集めたのがマストドンだ。
マストドンの革新性は、「TwitterのようなSNSをDIYで構築できる」という気づきを与えた点にある。かつてmixiが流行した際、「OpenPNE」というmixiクローンを作れるオープンソースプロジェクトがあった。しかし、それは単なる二番煎じに過ぎず、大きなムーブメントにはならなかった。
対してマストドンは、「連合(フェデレーション)」という概念を導入したことで、単なるTwitterの模倣ではなく、分散型SNSという新たな可能性を提示したのである。
アットプロトの可能性——「ATmosphere」とデータの融通性
そして今、注目されているのが**アットプロト(AT Protocol)**だ。
アットプロトの革新性は、「共通の文法」を用いることで、さまざまなアプリが相互に連携し、エコシステムを形成できる点にある。昨年あたりから「ATmosphere」という概念が前面に押し出され、サードパーティー開発も活発化。開発者たちが期待感を持ち続ける限り、この仕組みはまだまだ発展する余地がある。
しかし、アットプロトの真の強みは、異なるアプリで使用したデータを、ひとつのIDのもとで自分の手元にキープできることにある。ただし、アプリ間でデータの融通性が「ない」ままでは、このメリットも半減してしまう。
理想を言えば、共通のデータ構造を活かし、それらを横断的に閲覧・編集できるスーパーアプリや、情報を俯瞰できるビルボード的な仕組みが登場すれば、ATmosphereはより活性化するだろう。
今後の展開次第では、アットプロトが単なるプロトコルにとどまらず、次世代のインターネット基盤として進化する可能性もある。
Bluesky Research Fellow plurality.leaflet.pub