(17)フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領
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フランクリン・デラノ・ルーズヴェルト(FDR)
4選した唯一の大統領であり、彼のニューディール政策は大統領の政治を語る際、大意アメリカの栄光として受け取られがちであるが、今のトランプに通じる強権上等、手段を選ばず混沌の中で仕事と責任を丸投げしてダメなら変えていくという困った内政家でもあった。
スティムソンは共和党の政治家で第一次世界大戦前に陸軍長官を務め、フーヴァー政権(共和党)の国務長官だったが、FDR(民主党)に一本釣りされてFDR政権二人目の陸軍長官として1940年7月に起用された。スティムソンから見たFDRは軍事と外交の天才として高く評価する一方で、内政に関して混乱を極めていると評価しないコメントを残している。
※注:当時の共和党と民主党の位置付けは今とほぼ真逆だった。そもそもリンカーンは共和党政権として南北戦争という内戦に当たっていて、黒人はこの後の民主党との地盤入れ替わり現象までは共和党支持でもあった。
閣議はあまり開かず個人的なつながりで打ち合わせを行い権限と責任をセットで丸投げしてやらせるというタイプだったようなので、スティムソンのような政治遂行に関して真面目・律儀とでも言うべき人物にとっては内政の進め方は決して納得いくものではなかったらしい。
上院議員からFDRの指名で連邦最高裁判事に転出していたジェイムズ・F・バーンズは、アメリカの第二次世界大戦参戦後、ホワイトハウス(大統領府)に新設された戦時動員局の局長として任命されて「Assistant President」という異名がつくほどの強権をFDRの後ろ盾という背景を持って振り回した。彼の使われ方はトランプ2期におけるDOGE、マスクに通じるものがある(バーンズが起用されたポストと部署は大統領府に設けられたものだったので、連邦議会による設置法などを通さず大統領令(裁量)で行われている。マスクのDOGEも既存組織を転用・改称して設置された)。
※補足:バーンズはFDRの急死直後、スティムソン陸軍長官が新大統領トルーマンへの情報開示を慎重にコントロールしようと配慮していたにもかかわらず、いち早くトルーマンのもとへ駆けつけてマンハッタン計画の存在を詳細に明かしていた。その後、スティムソンから「大統領の代理人が必要」として推薦を受ける形で、同計画の暫定委員会にトルーマン大統領の個人代理人として参加。さらに45年7月には国務長官となって対日戦の最終盤において強硬論を主張して少なからず影響を与えた。
FDRは健康状態は良くなく、4期で副大統領だったウォレス(知識人で進歩主義者、左派思想が強いとされた)が、もしFDRが倒れたらウォレスが大統領になることは絶対に拒否する意向が党内(民主党幹部)から強くあり、その結果、トルーマンに差し替えられた(ウォレスは商務長官に横滑り)。
トルーマンをFDRが望んだわけではないし、実際就任後もトルーマンに政策に関して相談したような事もほとんどなかったといわれている。
FDRはマンハッタン計画についてスティムソンに任せた形だったが、一方で英国側との外交では自身で当たっており、有名な1944年のハイドパーク協定(ボーアについての不信と無視をFDRとチャーチルの間で取り決めるなどしている)もチャーチルとFDRで勝手に話し合い文書を残したが、FDRの死後でもわざわざトルーマンに報告されたりはしてないし、スティムソン陸軍長官にも内容を伝えたりした形跡がない(そしてこの文書に基づいて何かアクションをとった話もなく、ほぼボーアを信用しないという確認文書と化している)。
そしてFDRが急死してからスティムソンはFDRと使用について何も決めてなかったゆえに、自身で使用方針をトルーマンとすり合わせて進めていく事になった。FDRの仕事ぶりが残した置き土産というしかない。
朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)
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