(19)合衆国連邦裁判所と移民裁判所
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連邦裁判所
連邦裁判所は合衆国憲法第3条に基づき設置され、連邦最高裁判所を頂点として一般的な連邦法に関わる訴訟を担っている。下級裁判所として控訴裁判所(かつての名称である巡回裁判所 circuit court とも呼ばれる。12の連邦巡回裁判区に1つずつ控訴裁判所が置かれている)、地方裁判所や国際貿易などの専門裁判所や軍関係の裁判所があって3審制をとっている(専門裁判所には連邦議会が合衆国憲法第1条に基づき設置する裁判所が含まれるが後述するものはこちらにも含まれない)。
連邦裁判所の判事は司法の独立の保障のため終身制と給与保障があり、本人の望みや弾劾以外ではその身分を奪われる事はない。
移民裁判所
移民裁判所は裁判所という名称にも関わらず連邦裁判所ではない。
司法省のExecutive Office for Immigration Review(EOIR)=移民審査執行部の下に設置されている組織で、源流は第二次世界大戦前、当初労働省に設置されていたものがほどなく司法省に移された事にはじまる。この時点では特別調査官という肩書きだったが後に移民裁判官という名称に変更された。
移民裁判官の身分は司法省職員そのものであり、その雇用は司法長官の裁量となる。解雇も可能であり連邦判事に与えられるような身分保障は一切存在しない(そもそも連邦裁判所でも連邦判事でもない)。
日本の入管庁に近い組織が裁判所・裁判官を名乗っているが担っている役割はほぼ変わりなくオーバーステイや越境者、滞在資格が消滅した人たちの処分判断を行っている。このような名称ゆえに移民裁判所からの出頭命令を受けた人は正規の裁判所からの命令と誤解して出頭してしまっているように見える事がある。
連邦最高裁判所判事の定数
合衆国憲法にはその定めがなく連邦法で規定されている。
フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領はニューディール政策関係法に対する違憲訴訟で連邦最高裁が違憲判決を大量に出す動きを見せた際に連邦最高裁判所判事の定数を大幅に増やして違憲判決阻止の動きを見せたことがある。連邦最高裁はこの動きに対して折れてニューディール政策関係法は違憲ではないという判断に転じた。
この出来事はFDRの暗黒面とも言えるし後の共和党政権や白人福音派による連邦最高裁判所判事について都合のいい考えを持った人物を送り込む試みにつながっている。
朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)
米国政治キーワード
- 1 (1)有権者たち
- 2 (2)激戦州・部族主義・大統領令
- 3 (3)統合軍・連邦議会・大統領府
- 4 (4)大統領の人事権・国防省
- 5 (5)参考図書
- 6 (6)激変中の人種民族構成比
- 7 (7)選挙人制度と連邦議員定数
- 8 (8)合衆国憲法修正条項
- 9 (9)合衆国憲法第1条第2節第3項 「5分の3」条項
- 10 (10)合衆国憲法修正第1条(いわゆる表現の自由)
- 11 (11) 憲法修正第25条 大統領・副大統領の継承
- 12 (12)予備選挙制度
- 13 (13)徴兵と州兵制度
- 14 (14)白人福音派
- 15 (15)連邦司法省と法執行機関、検事制度について
- 16 (16)党派・人種民族別支持者比と上院人種民族構成
- 17 (17)フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領
- 18 (18)ハリー・S・トルーマン大統領
- 19 (19)合衆国連邦裁判所と移民裁判所 This article
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