米国政治キーワード Part 11 of 11

米国政治キーワード(11) 憲法修正第25条

1965年1月に上院で提案され、下院の別案との内容調整を経て7月に両院で可決・発議され、各州議会へ送られた。全州の4分の3による批准が完了したのは、1967年2月のことだった。

本条項は、大統領が職務不能に陥った際の停止措置や、副大統領の欠員補充、大統領職の継承順位などを定めている。大統領が病気等で職務に耐えられないものの、本人がそれを認めない場合、副大統領と閣僚らの判断で職務を停止し、代行者へ権限を移行できると規定しており、近年改めて注目を集めている条項でもある。

この修正第25条(副大統領の欠員補充規定)は、ニクソン政権下でのアグニュー副大統領の辞任に伴う、ジェラルド・フォード氏の副大統領指名・承認が初の発動事例となった。その後、ニクソン大統領の辞任を受けて、フォード副大統領が大統領に昇格した。

余談1 フォード氏は大統領選挙(指名獲得や本選)を経ることなく副大統領および大統領に就任し、一度も選挙で勝たないまま退任した(1976年の大統領選でカーターに敗北)という稀有な記録を持っている。

余談2 政治ドラマ『マダム・セクレタリー』は憲法修正条項に関するエピソードが多く、修正第25条を扱った回も複数ある(大統領機との通信が途絶し、機内酸欠などの事故が疑われる場面や、大統領が異常な判断を繰り返すようになり、閣僚らが修正第25条の『とある想定』に基づく発動を決行すべきか悩む場面などがある)。劇中でも描かれたように、過去に前例(判例)がなく、権限を否定された大統領が猛反発・抵抗するリスクまで孕むこの議論は、まさに今日的な問題として深く考えさせられる内容である。

“合衆国憲法修正第25条

第1節 大統領の免職、死亡、辞職の場合には、副大統領が大統領となる。

第2節 副大統領職が欠員のときは、大統領は副大統領を指名し、指名された者は連邦議会両院の過半数の承認を経て、副大統領職に就任する。

第3節 大統領が、その職務上の権限と義務の遂行が不可能であるという文書による申立てを、上院の臨時議長及び下院議長に送付するときは、大統領が、それと反対の申立てを、文書によりそれらの者に送付するまで、副大統領が大統領代理として大統領職の権限と義務を遂行する。

第4節 副大統領及び行政各部の長官の過半数又は連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長及び下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申立てを送付したときは、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする。

2 その後、大統領が上院の臨時議長及び下院議長に対し、不能が存在しないという文書による申立てを送付したときは、大統領はその職務上の権限と義務を再び遂行する。ただし、副大統領及び行政各部の長官の過半数、又は連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長及び下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務の遂行ができないという文書による申立てを4日以内に送付したときは、この限りでない。この場合、連邦議会は、開会中でないときは、48時間以内にその目的のために会議を招集し、問題を決定する。もし、連邦議会が後者の文書による申立てを受理してから21日以内に、又は議会が開会中でないときは会議招集の要求があってから21日以内に、両議院の3分の2の投票により、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないと決定した場合は、副大統領が大統領代理としてその職務を継続する。その反対の場合には、大統領はその職務上の権限と義務を再び行うものとする。"

アメリカ合衆国憲法 - Wikisource https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95

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朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)

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