米国政治キーワード(3)
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統合軍と指揮権
アメリカ軍による戦闘・戦争行為は地域・機能別の統合軍により指揮される。イラン戦争はU.S.CENTCOM(U.S.Central Command=通常中央軍と訳されている)の司令官により指揮されているが、このように地球を分割した地域コマンドと宇宙や輸送、戦略(核戦争)などの機能別の統合軍が設置されている。
このような統合軍は法律上大統領と国防長官の指揮を受けており、法的には統合参謀本部議長ら(大統領・国防長官の上級軍事顧問でもある)には指揮権限がない。ジェイムズ・ゲイツ国防長官(ブッシュ・ジュニア政権、オバマ政権での国防長官)は制服組との協力関係を意識して統合参謀本部経由で命令を出していたと回顧録で述べている。国防長官府のスタッフが多いわけではなく統合参謀本部の方が充実している事もあっての事ではないかとは想像。
連邦議会
憲法上予算編成権は連邦議会にあるが予算立法制が取られており、日本のような独立した予算案の審議・可決は取らない。個別に法律が作られて予算編成される。大統領側は予算教書を議会に送り、予算立法措置を望むようにはなっているが、議会側での修正は頻繁にあり、追加されたり削除されたりは当たり前の世界になっている。
連邦法の成立は上院、下院で同一内容の可決を必要とする。提出者はあくまで議員であり、日本の閣法のような大統領府が法案を直接出すといった事はできない。上下院で可決された法案は大統領に送られ、署名を経るか10日間経過すると法律として発効する。大統領には拒否権があり発動された場合、連邦議会側で再可決要件(3分の2以上の賛成)をクリアできれば法律は大統領の署名なく成立する。
なお通常の法律以外に両院共同決議と呼ばれるものがあるが、こちらも法的な内容を含めて制定する事ができるので注意が必要(手続き自体は通常の立法と変わらない)。
両院共同決議では予算の継続措置(つなぎ予算)、軍事力行使の承認、行政規則の取り消し、憲法改正の発議など、特定の限定された目的や緊急性の高い案件に用いられる傾向がある。イラン戦争に関する両院共同決議も法的拘束力を持たせる意図があるが、大統領の拒否権の対象になり、再可決要件を満たせる可能性がないため現状決定打には至っていない。
大統領府(ホワイトハウス)
Chief of Staffが頂点となっている。大統領首席補佐官と訳されるがこのような役職はいろんな官庁に存在している(陸軍の参謀総長もやはりChief of Staff)。大統領府のスタッフは閣僚と異なり大統領の指名で自由に任命できるが、現役将官の場合は軍の人事として上院の承認を受けている(通常公聴会が開かれたりはせず人事一括承認の一部に含まれる程度のものとなる)。
朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)
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