(37)中間選挙と政治資金 米国政治キーワード 第37回 / 全37回

(37)中間選挙と政治資金

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目次

中間選挙について

・もとより政党支持傾向が強い人たち主体の選挙で大統領選のような高い投票率になることはなく、大統領与党が勝つことは稀

・トランプ2期の経済政策の不在、戦争による石油高騰などあって世論調査では下院=民主党有利と言われているがトランプ支持層は世論調査を毛嫌いするとされておりどうやって補正するかという問題はトランプ登場後常に問題になっている

・上院は州に対して2議席割り当てで任期6年、2年毎の選挙で1議席ずつ改選(なので3回のうち1回は上院選なしとなる)。人口が少ない白人比率が高い州は共和党支持傾向が強いため民主党が多数派を取れる事は稀。それが今回激戦州が複数生じておりひょっとしたら?という可能性が出てきている。この時点で十分異変と言える。

・民主党の上院(シューマー)や下院(ジェフリーズ)といったリーダーの牽引力の弱さは穏健派の限界を示してもいる。民主党穏健派とは30年以上前なら共和党穏健派、つまり白人同士のなぁなぁでの超党派取り組みが容易な体制の生き残りであり富裕層に軸足がある人たちで今の非穏健派(DSAと呼ばれる民主社会主義運動や若年層、非白人層が多い)とは緊張関係にある。

・上院のエルサイード候補が民主党予備選に勝利したことで穏健派がそっぽを向くのでは?という意見記事を見かけるが、24年大統領選において非激戦州では600万人もの人が投票しなかった。バイデン・ハリス政権の対イスラエル・パレスチナ政策への不満などが理由とみられる。この時の票数減はハリスの敗因にはならなかったが(非激戦州での選挙人獲得数はトランプよりわずかながら上回っていた)穏健派がよく言う「非穏健派の言う通りにしたら勝てない」は間違いで正確には「両者が結集しなければ負ける」が正しい。特に激戦州になっている上院選挙区で両者がいざこざを起こしていて勝てるわけがない。

補足

・カリフォルニア州は人口4000万人近いが上院定数2
・ワイオミング州は人口58万人で上院定数2(ちなみにワイオミング州の連邦下院議席数は州全体で1)

穏健派が支配しない民主党では勝てないみたいな論調の知ったかぶりなオピニオン記事を見かける。そして穏健派が支配しないから非穏健派がつけあがり分裂するんだという。そういう見立てが偏見の極みだろう。穏健派に属する候補は非穏健派の動向に留意しているしその逆も同様。若年層は非穏健派的な立場を取りがちだという現実を知っていれば安易に穏健派が正しいみたいな論評できる道理はないはずである。

アメリカの政治献金の類別について

・共和党、民主党の政治献金総額でどちらが優位か論じられているが政治資金に区分があり有権者支持を見るなら候補者の政治資金団体に対する個人の少額献金額を見ないと意味をなさない。共和党の場合、富豪の巨額献金が大きく個人の少額献金額合計はたいてい論じられていない。

・候補者の政治資金団体への献金は上限額があって富豪であっても巨額を寄付することはできない(かつては上限額=複数候補者の資金団体への献金額合計とされたが憲法修正1条違反とされて今は候補者1人に対する上限額になっている)。候補者の政治資金団体の資金はその候補の選挙運動費用に使用できる。

・スーパーPACと呼ばれる候補者政治資金団体ではない献金受け皿があるがこちらは政治意見広告の出稿料に充てられる。候補者の指示を直接受けるものではなく独立した活動をするものとされていて最近までこの政治意見広告、対立候補を貶すネガティブキャンペーンの広告制作・出稿料に充てられるものだった。24年大統領選からは戸別訪問運動に要する費用にも支出されるようになった(が、あくまで候補者の政治資金団体とは別個の活動であり以上のような使途でしか使えない)

・富豪の巨額献金の多くはこのスーパーPACに流れていて、金額が多いから単純に優位だとは言い切れない。支持層の動員、投票漏れを防ぐ意味だったり、多くはないどちらに入れるか決めかねている層(全米で真の意味で無党派は10%ほどしかいない)を取り込めるかもしれないために巨額マネーが動いているというのが実態なので、単純に優劣判断の指標にはできない。

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朝「えみり既読おそーい」(『違国日記』6巻より)

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米国政治キーワード

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  7. 7 (7)選挙人制度と連邦議員定数
  8. 8 (8)合衆国憲法修正条項
  9. 9 (9)合衆国憲法第1条第2節第3項 「5分の3」条項
  10. 10 (10)合衆国憲法修正第1条(いわゆる表現の自由)
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